グルメ
2015.11.01
冬には冬の中華メニュー!身体の芯から温まる中華料理ベスト3
医食同源の国・中国では、冬には身体を温めるための食材や調理法で作られた料理が食べられています。日本ではアツアツの鍋を囲むのが定番ですが、中華メニューでは、どんなものが食べられているのでしょう? 中国、香港、台湾で冬に食べられる人気メニューを厳選して3つご紹介します。
1. 麻婆豆腐
冬の寒さが厳しい四川省で生まれた麻婆豆腐。日本でもすっかりおなじみですね。唐辛子や山椒などのスパイスをたっぷり使っているので、食べると身体がポカポカしてきます。しっかり温められた豆腐は、麻婆あんに入っているせいか、なかなか冷めません。それをアツアツの白いごはんにかけて、ハフハフしながら食べるのは、寒い冬ならではの醍醐味といえるでしょう。
麻婆豆腐の辛さには2つの種類があります。真っ赤に染まった唐辛子の辛みは「カプサイシン」という成分で、顔に汗をかいてしまうようなホットな辛さがあります。また、山椒の辛さは舌をしびれさせるような辛さ。薬膳では、山椒は冷え症や風邪の改善にも使われます。これらの香辛料が、身体を芯から温めてくれるでしょう。
2. 煲仔飯(ボーチャイファン)
秋から冬にかけて、香港の町の屋台で見かけられるようになるボーチャイファン。中国風の炊き込みご飯で、1人分ずつ土鍋に入れて炊き上げるのが特徴です。基本的には、土鍋にお米と食材を入れ、とくに味付けをせずに炊き上げ、各自でしょう油を好みの分量かけていただきます。
ボーチャイファンはメニューの種類が豊富で、専門店へ行くとどれを選べば良いのか悩むほど。骨付き鶏のぶつ切り&しいたけ、中華風サラミ&排骨(豚のスペアリブ)、鶏の足&排骨、卵&牛肉、カエル&しいたけ……。それぞれの具材の旨みがごはんに染み込み、なべ底のおこげも芳ばしく、しょう油の風味が全体をひとつにまとめあげ、何とも言えないおいしさです。土鍋は保温力に優れています。寒い冬にぴったりのメニューですね。
3. 薑母鴨(ジャンムーヤー)
ジャンムーヤーというメニューを、これまでに1度も聞いたことがないという方がほとんどでしょう。「薑母」は古いショウガ、「鴨」は、文字どおり鳥のカモ肉です。ジャンムーヤーは、鴨肉をショウガで煮込んだ鍋料理で、台湾の冬の風物詩ともいえるメニューです。
ショウガは、日本でも身体を温める食材として知られていますね。鴨肉は、冬になると脂が増えておいしくなる食材のひとつです。ジャンムーヤーは、まさに冬ならではのメニューといえるでしょう。
ここで使われる古いショウガとは、単に古くなったショウガではなく、3年以上かけてじっくり育てられたショウガのことです。大地からの栄養をたっぷり吸収し、薬効成分にすぐれた、まさに医食同源の食材です。
鴨肉をごま油で炒めたら、これを丸ごとゴロリと鍋に入れて水からじっくり煮込みます。ショウガの成分が鍋の中に溶け出すので、具材だけでなく、スープまでいただくのが身体を温める秘訣です。
冬においしい中華を食べに行こう!
聞きなれないメニューもありますが、寒い冬に食べたくなる料理ばかりですよね。ボーチャイファンの食材は、日本で入手可能なものがほとんどです。ジャンムーヤーなら、ショウガはスーパーで売っている普通のものに、鴨肉は鶏肉に替えてもOK。キャベツや白菜、キノコなども入れて一緒に煮込みましょう。
どれも自宅でアレンジして作ることのできるメニューですが、一度は本格的なものを食べてみたいですよね。中国や香港、台湾まで行かずに本場の味を味わうなら、やっぱり中華街へどうぞ。冬には冬の中華料理を食べて、身体の芯から温まり、元気に過ごしましょう!