世界チャンピオンの本格中国料理店

横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

うんちく

2016.01.01

天津飯とナポリタンの共通点とは?中華料理と中国料理の違い

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「中華料理」といったり「中国料理」といったり、ふだん何気なく使っていますが、その違いを知っていますか? みんなの大好きな中華料理のメニューが、実は本場中国にはない……なんていうこともあります。
意外なあの料理が日本独自のメニューだったり、中国では違う食べ方をされていたり。中華料理と中国料理の違いをひも解きます。知ると楽しい豆知識です。

中華という言葉の意味を知ろう

中国の正式名称は「中華人民共和国」。日本では、それを縮めて「中国」と呼んでいます。「中華」という言葉が日本で使われるときは、中国という国そのものを指すのではなく「中国的な」や「中国の」というニュアンスを含んでいます。そのため、「イタリア料理」や「フランス料理」同様、本場中国で食べられている料理を指す場合は「中国料理」です。

「中華料理」は中国風の料理と捉えることができるでしょう。本格的な中国料理というより、町の食堂で気軽に食べられる中国風の料理ということになります。中華料理店にあって中国料理店にはないメニューや、その逆の場合があるのはそのためです。

天津に行っても天津飯は食べられない!?

日本にはさまざまな中国風の料理が存在します。とても中国らしい料理なのに、本場中国にはないということがあります。また、名称に中国の地名が入っているメニューも多いのですが、実はその土地では存在しないことも。いくつかの事例をご紹介しましょう。

中国の麺料理は温かい

たとえば、冷やし中華。日本の夏を彩る料理ですね。冷やした中華麺の上にさまざまな具材を彩りよく乗せたものですが、本場中国では見られない食べ物です。なぜなら、中国では麺は温かいまま提供されるのが一般的だからです。中国料理にある「涼麺」も、麺はゆでたてで、上に乗せる具材のみ冷たい、というような食べ物。冷やし中華は日本が生み出した中華料理なのですね。

中国に逆輸入されたエビチリ

プリッとしたエビが辛めのあんにからまって出てくるエビのチリソース。本場中国では、このようなスタイルでは料理は提供されません。たしかに四川には、「乾(干)焼蝦仁」という、エビを豆板醤でピリ辛味に炒めた料理があります。しかし、「乾(干)」の字からも分かるように、ソースの少ない仕上がりです。豆板醤の辛さになれていない日本人向けに、ケチャップを使って甘さを加えたレシピにアレンジされたのが、日本のエビチリなのです。今では、本場中国でもこの日本スタイルで作るレストランが増えているようです。

天津に天津飯はない

ふんわり焼き上げたカニ玉をごはんに乗せて、上から甘酸っぱいあんをかけた天津飯。ネーミングからしていかにも天津の名物料理のようですが、実は日本で考案されたものです。中国にも、「芙蓉蟹(フーヨーハイ)」や「賽螃蟹(サイパンシエ)」といわれる、カニや白身魚を卵でとじた料理は存在しますが、これをごはんの上に乗せるところが、日本オリジナル。スパゲッティナポリタンがイタリアのナポリには存在しないように、中国の天津を訪れても天津飯は食べられませんよ。

正式な中国料理なら中国料理レストランへ

中華料理店というと町の商店街のなかにあって、ラーメンやチャーハン、餃子を食べる庶民的なお店というイメージですね。使われているテーブルもふつうの四角いもので、サービスされるのは水であることが多いでしょう。

中国料理店は、丸いターンテーブルで食べることが多く、サービスされるのはジャスミンティーのような中国茶が基本です。メニューリストにも本格的な中国料理が並び、より現地に近い味を楽しむことができます。正式な中国料理を食べたいときは、本場の雰囲気も楽しめる中国料理店へ行くのがおすすめです。

中華料理と中国料理、使い分けて楽しもう

知っているようで知らない、中華料理と中国料理の違い。中国の料理が日本人に愛されているからこそ生まれた違いともいえそうですね。外国文化を柔軟に取り入れ、独自の発展を遂げてきた日本らしい料理ともいえます。その違いを意識してメニュー選びやお店選びをしてみるのも楽しいのでは?

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