文化
2016.02.01
横浜中華街がもっとも盛り上がる日
今年もやってきました、旧暦の正月をお祝いする「春節(しゅんせつ)」。旧暦の正月を盛大にお祝いする風習です。横浜中華街では1986年から春節に合わせて盛大にイベントを開催しています。今年で30回目を迎えた春節。この中華街がもっとも盛り上がる日といっても過言ではない春節を振り返ります。
春節カウントダウン
2016年の春節は、2月8日から22日まで開催されました。
春節の由来には諸説ありますが、大昔、「年」という猛獣がいて、旧暦12月30日の夜に姿を現し、人を食べて暴れていたところ、人々が爆竹を鳴らして猛獣を退治したということから発しているという説が有名です。
爆竹の爆音は春節にとって欠かせない存在ですが、赤や黄色、緑といったカラフルな獅子もまた欠かせない存在ではないでしょうか。獅子は吉祥(縁起がいいとされる図案)として登場する想像上の動物です。横浜中華街では催事のあるたびに獅子舞を見ることができます。
2月7日の24時から開催された「春節カウントダウン」は、横濱關帝廟(よこはまかんていびょう)と横濱媽祖廟(よこはままそびょう)を会場に獅子舞が披露されました。9,8,7と数えながら、8日をまたぐ24時ちょうどになると爆竹が一斉に鳴らされ獅子たちが登場。飛んだり跳ねたりしながら、観客に迫ってきました。迫力満点です!
採青
2月8日は、伝統の獅子舞「採青(さいちん)」が催されました。
もともと採青は、獅子が店頭に用意された、青菜を付けた赤い祝儀袋を取って食べることを意味しています。
獅子は横浜中華街を練り歩きながら、各店舗に立ち寄っては舞を披露し、店員さんやお客さんの頭を次々とくわえていきます。週末に春節に関連した行事が開催されているならば驚かなかったかもしれませんが、8日は平日。それも16時スタートです。食事中に店の中に急に獅子が入ってきて、頭をくわえて去っていくという採青に遭遇して、驚かれた人も多かったようです。
獅子舞に採青をしてもらった店や人には「百福臨門」といわれるほど、たくさんの幸せが来るといわれています。今年もたくさんの幸せが獅子によってもたらされました。
春節娯楽表演
春節開催期間に数回開催されたのが「春節娯楽表演(しゅんせつごらくひょうえん)」です。横濱媽祖廟の隣にある山下町公園で、華やかな中国舞踊や、中国雑技、中国伝統武術などが披露されました。伝統的な中国の面をつけて踊る人、高く積み上げられたいすの上で絶妙なバランスで立つ人など、見ているこちらがハラハラ・ドキドキさせられる技が舞台で次々と披露されました。
そして2月20日には「祝舞遊行(しゅくまいゆうこう)」が開催される予定でしたが、悪天候のため中止になってしまいました。祝舞遊行は、華やかな皇帝衣装に身を包んだ皇帝衣装隊、獅子舞などが登場しますが、何よりも人気があるのはダイナミックな龍舞でしょう。この日を待ちわびていた人たちにとっては残念でしたが、春節は1年に1回やってきます。また来年へのお楽しみということにしておきましょう。
春節で異国情緒を満喫
けたたましい爆竹の音、太鼓と鉦(しょう)が鳴り響く音、春節期間の横浜中華街は、いつも以上ににぎやかで、日本にいることを忘れるような異国情緒にあふれていました。例えばみなとみらいに出かけた帰りに立ち寄る、中華料理を食べに行くということだけでも十分に楽しめる横浜中華街ですが、こうしたイベント時に出かけて、異国の文化や風習に触れると、違った魅力を発見できるのではないでしょうか。