うんちく
2016.03.01
中華そば、そば、うどん。同じ麺でも何が違う?
中華料理のなかでも麺類が大好きという方は多いのではないでしょうか。担々麺に刀削麺、焼きそばに麻婆春雨など、おいしい麺類がたくさんありますよね。でも普段、なにげなく食べているそばやうどんとは、何がどう違うのでしょうか?
そもそも、中華麺の定義とは何なのでしょうか? 今回は、私たちにとって身近な麺類の違いについて調べてみました。
中華麺の定義とは?
麺の違いを比較するためにも、まずは、中華麺がどんなものなのかを理解しておきましょう。
中華麺は、小麦粉を原料とする中国発祥の麺のこと。最大の特徴は、副原料に使われる「かんすい」です。かんすいとは、ラーメンの麺にとって欠かすことのできないもの。ラーメン独特のコシと風味を生み出すのも、かんすいの役割だといいます。かんすいは、もともとは炭酸ナトリウムを主成分とする中国奥地で採れる湧き水でしたが、現在では粉末状の固形かんすいが使われています。これを小麦粉に加えて練り合わせて製麺することで、中華麺が完成します。
うどん、そばは何が違う?
中華麺の定義が分かったところで、次はうどんやそばについて見てみましょう。
うどんとは、小麦粉に水を加えて練り、製麺したもののことをいいます。定義上では、ひらめんやひやむぎ、そうめんなどの形状が異なるものも、うどんの一種としてみなされます。一方、そばは、そば粉が30%以上、小麦粉が70%以下の割合で混ぜ合わせたものを水を加えて練り、製麺したもののことです。
また、うどんやそばは、一口で「めん」といっても、製造方法よっても呼び名が変わります。それぞれの違いは以下のとおりです。
▶︎生めん
常法で製造されためん類のこと。「生うどん」「生そば」「生中華麺」などがあります。26~35%の水分量の食塩水や希釈かんすいなどを使用して作ります。冷凍めんも生めんに分類されます。
▶︎ゆでめん
常法で製造された生めんを十分にゆでたもののこと。加工時点でゆでてあっても、食べる前に必ずゆでる必要があります。水分量は70%前後です。長期保存が可能な「包装めん」と呼ばれるものは、ゆでめんの一種で包装後に蒸気加熱殺菌が行われます。
▶︎半生めん
常法で製造された生めんを高水分の状態で乾燥したもののこと。常温や加熱空気、湿熱空気などで乾燥させ、生めんの水分と近い20〜27%程度の水分量になるよう作られます。生めんに近い風味や食感を楽しむことができるため、お土産物に多く利用される製法です。
▶︎油揚げめん
常法で製法された生めんを揚げたもののこと。そのまま、もしくは熱処理したものを油で揚げて作ります。長崎チャーメンやかた焼きそばなどが油揚げめんに分類されます。
製法によって保存期間や味わいが変わるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
ちょっと変わり種麺
麺類の基本を知ると気になるのが、変わり種の麺類です。中華麺やうどん、そばなどの定番麺類以外には、どんな麺類があるのでしょうか。ここでは、中華料理でよく見られる一風変わった麺類についてご紹介します。
変わり種麺のなかでも、日本人にも広く親しまれているのが春雨。日本の春雨は、その多くがジャガイモやサツマイモから採取されたデンプンを原料として作られています。一方、本場中国の春雨は緑豆を原料としており、その歴史も古く、1000年も前から作られている食品です。また、中華料理で高い人気を誇るのが、鮮やかな緑色のひすい麺です。ほうれんそうを練り込んで半透明に仕上げた麺は、美しいだけでなく程よいコシも魅力です。
お土産に生麺も
横浜中華街では自家製の麺を出している店も多いのですが、有名な製麺所もあるので、お土産に生麺を持ち帰ることもできます。乾麺もおいしいけれど、生麺の味わいはまた格別です。中華料理店で打ち立ての麺を食べて、自宅では持ち帰った生麺を食べる。そんな麺好きにとってはたまらない楽しみ方ができるのも、横浜という大都市で、かつアクセス良好な横浜中華街だからこそではないでしょうか。