うんちく
2016.03.01
横浜中華街でも人気。バイキングの歴史
皇朝のレストランでは、オーダー式バイキングを実施しています。食べたいものを好きなだけオーダーして食べるオーダー式バイキングのベースには、数々の種類が並んだ料理を自分の皿にとりわけ楽しむバイキングスタイルがあります。量をたくさん食べたい方、好きなものを好きなだけ食べたい方などのニーズを叶えるバイキングですが、そもそもどのように定着していったのでしょうか?
バイキングとは?
バイキングとは食べ放題のこと。英語と思われがちですが、日本人が考えた和製英語です。バイキングと同義語のように使われている「ブッフェ(buffet)」という言葉がありますが、実は少し意味が違うのはご存じですか?
ブッフェはフランス語が起源で、その意味は「飾り棚」。雑貨や花瓶などが飾れる棚に料理を置き、セルフサービスで好きなものお皿にとって立食していたことから、こうした食事形式のことをブッフェと呼ぶようになりました。つまり、ブッフェは「セルフサービスの立食」のことであって、食べ放題ではありません。食べたぶんだけ料金が加算されるため、一定の料金を支払ったらいくら食べてもいいというバイキングとは若干意味が異なるのです。
ブッフェからバイキングへ
ブッフェの始まり非常に古く1700年。「パンとバターの食卓」を意味するスウェーデンの「スモーガスボード(smorgasbord)」が始まりといわれています。スモーガスボードを直訳すると、サンドイッチテーブル。テーブルに並べられた塩漬けした魚や肉、酢漬け、燻製料理などを好みで選び、パンの上に載せて食べる形態を指していました。スモーガスボードはそもそも、上流階級の人々が楽しむ格式高い立食スタイル。食べ放題でありがちなお皿に料理をてんこ盛りにする食べ方はNGです。多くのお皿を使い、少しずつ料理を取るのがマナーとなります。必ず守らなければいけないわけではありませんが、コース料理のように食べる順番も決まっています。
ブッフェの始まりといえるスモーガスボードの食べ方からもわかるように、ブッフェとバイキングは意味が違うんですね。その違いがなくなってしまっていることも多く、ブッフェスタイルのお店でも食べ放題を採用しているところも少なくありません。現代ではブッフェよりもバイキングが浸透しつつありますが、こうした背景もうんちくとして知っておくとおもしろいですね。
バイキングのルーツは帝国ホテル
日本でバイキングが始まったのは1958年のこと。帝国ホテル内の「インペリアルバイキング」が日本初のブッフェレストランとして誕生しました。当時の帝国ホテル社長・犬丸氏が、デンマークでスモーガスボードに出会い、その食事スタイルに刺激を受けたことがきっかけとなったそうです。犬丸氏が「バイキング(viking)」と名付けた由来は、当時流行していた海賊映画『バイキング』から着想を得たのだとか。好きなものを好きなだけ食べられるスタイルが、海賊のイメージにマッチしていたことから名付けられたといわれています。
インペリアルバイキングは2004年にリニューアル。「インペリアルバイキング サール」として生まれ変わりました。オープンキッチンでシェフとやりとりしながら、本格的な料理を楽しめるようになったそうです。バイキングの歴史を感じたい方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
中華街で高級食材も楽しめるバイキングを
バイキングの魅力は、好きなものを好きなだけ味わえる点にあります。普段ならちょっぴりガマンしてしまう、フカヒレやツバメの巣など中華料理のなかでも高級といわれている食材を使ったメニューにもチャレンジする良い機会です。横浜中華街に来たら、ぜひバイキングでたくさんある中華料理のメニューを1品でも多く食べてみてくださいね。