観光
2016.04.01
横浜・馬車道通りで馬を発見!
横浜中華街の最寄り駅である元町・中華街駅から地下鉄で2駅先の馬車道駅。そこから関内駅方面に続く道は馬車道通りと呼ばれています。地下鉄の駅名にも通りの名前にも「馬車道。」なぜ馬車道という名前がつけられているのでしょうか。
どうして馬車道と呼ばれるのか?
横浜港の開港にともなって、関内近辺は外国人の居留地となりました。
居留地で暮らす外国人から、海岸通りから吉田橋まで直線の道を整備して、幅を60フィート(約18メートル)に拡張するよう要請があり、それに応える形で道幅が拡大されました。
ゆったりと広い道路が完成すると、外国人たちは道路を馬車で行き交うようになりました。日本の街中を馬車が走るその光景に人々は驚き、「異人馬車」という呼び方をして珍しがったといいます。日本初となる街路樹やガス灯も設置され、まさに文明開化を体現する道路となりました。
馬車が行き交う道となったこと、そして吉田橋の脇に東京行きの乗合馬車の発着所が構えられたことから、この通りは「馬車道 という愛称で親しまれるようになりました。ちなみにですが、馬車で東京まで行くのに片道約4時間かかったそうです。現代からは想像できないような長旅ですね。
馬車道駅と馬車道通りという名称は、こうした歴史的背景から名付けられました。
散策してみると、馬があちらこちらに
素朴なオレンジ色のレンガの歩道に、明治37年に横浜正金銀行本店として建てられた県立歴史博物館などの洋風建築が見られる馬車道通り。
散策してみるとその名の通り、あちこちに“馬”を発見することができます。例えば、車道と歩道の境目に置かれたポール。シャープな馬のシルエットと、馬車の車輪が組み合わさったマークがはめ込まれています。ほかにも街灯、ベンチ、十字路の大きなマンホールなど、わずか1kmという短い通りでありながら、これでもかとばかりに馬のマークが散りばめられています。
中でも、一番インパクトがあるのは「水飲馬牛」ではないでしょうか。
何と馬と牛専用の水飲み場が、当時使われていたままに残されているのです。馬や牛が首をもたげて水を飲めるように、水を溜められるようになった長方形の槽「水飲馬牛」。重厚で背の高い造りをしていて、大正6年に設置されたものだそうですよ。こうして“馬”を発見しながら歩いていると、150年も前の馬車道通りの様子が目に浮かぶようです。
歴史ある名店を巡る楽しみも
横浜港の開港をきっかけに発展していったエリアなので、歴史ある名店もひしめきあっている馬車道通り。グルメ散策も楽しみ方の一つと言えるでしょう。横浜中華街と馬車道通り、2つの人気のスポットのはしごもおすすめです。
また、いろいろな馬を発見することができる馬車道通りですが、本物の馬とも遭遇することができます。毎年秋に開催されているイベント「馬車道まつり」では、本物の馬がひいてくれる馬車の試乗体験が行われています。馬車の車窓から馬車道通りを眺めれば、いつもとはちょっと違った雰囲気に見えるのではないでしょうか