うんちく
2016.06.12
ふ頭の役割や種類ってどんなものがあるの?
横浜港には、船舶の大型化や荷役革新の進展とともに、山下ふ頭、本牧ふ頭、大黒ふ頭、南本牧ふ頭などが造られました。貿易の窓口として稼働しているふ頭ですが、実際はどんな役割を持っているのかご存じですか?
今回は、ふ頭がもつ役割や種類ついて調べてみました。
輸入に頼る日本にとって重要な存在
ふ頭とは、港湾において船客の乗降や貨物の荷役を行うための場所のこと。港の水陸輸送の施設を備えている場所であり、いわば港の玄関です。日本は、世界有数の貿易大国。資源や食料の多くを輸入に頼っているため、日本にとってふ頭が果たす役割は非常に大きいといえます。
例えば石油やLNG(液化天然ガス)、鉄鉱石などは100%に近い輸入依存度です。こうした資源を輸入に頼りつつも、世界に販売する製品づくりにも力を入れ、輸出も盛んに行っています。
ふ頭にも種類いろいろ
ふ頭と一口にいっても、その種類はいろいろです。
港には大量の貨物が集まるため、同じ種類のふ頭だけでは荷役作業に混乱が生じるおそれがあります。その役割によって、どんなものを扱うのかによって、ふ頭の種類を分けて専門の設備を備えることで、スピーディーな対応を実現しています。
例えば、一目でわかるのが自動車ふ頭。自動車を置くための広大なスペースがあり、港ぎりぎりにまで自動車が大量に止めてあるので、ふ頭のなかでも目立つ存在です。
また、自動車ふ頭と並んで強い存在感を放っているのが、コンテナふ頭です。電気製品や衣類など雑貨を収納したコンテナが並んでおり、コンテナの荷役に使われる積み下ろし用の機械・ガントリークレーンがそびえ立っています。ガントリークレーンは「港のキリン」と呼ばれており、港を訪れる人々の注目を集めています。
ほかにも、輸入した材木を海に浮かべたまま保管する木材ふ頭や、大型の冷凍倉庫を設置して魚介の鮮度を保つ工夫をしている水産物ふ頭などがあり、用途は実にさまざまです。
山下ふ頭に大黒ふ頭、横浜港にあるふ頭
山下ふ頭は、1953年から埋め立てを開始し、1963年に完成した在来貨物中心のふ頭です。高度経済成長期には、活気あふれる横浜港を支える主力ふ頭として重要な役割を担っていました。
現在も、本牧ふ頭をはじめとした主要ふ頭のサポート役として活躍を続けています。山下公園や市街地に近いという優れた立地を生かし、ふ頭内には港運関連団体の事務所、国際航空貨物を専門に取り扱う横浜航空貨物ターミナル(通称YAT)のほか、船舶給水事務所などが置かれています。
1971年に整備された大黒ふ頭は、横浜港初の島式ふ頭。コンテナターミナル、ライナーターミナル、自動車船等を取り扱う多目的バースなど、全部で25バースが整備されています。国内最大級の物流施設「横浜港流通センター」(YCC)も置かれており、横浜港の物流機能を支えています。私たちも利用できる食堂も入っているので、食事を楽しむこともできますよ。
豊かな暮らしを支えるふ頭に注目を
調べてみると、ふ頭の役割や種類は実にさまざま。一つひとつのふ頭が重要な役割と機能をもち、スムーズに稼働しているからこそ、私たちは豊かな生活を実現できています。
貿易の窓口として今後も活躍し続けるふ頭。次に横浜港を訪れた際には、ふ頭の種類や特徴について考えながら眺めてみるのも面白いですね。