グルメ
2016.08.12
横浜中華街に多い広東料理、その理由は?
アジア最大の国土を有する中国では、地方によって料理の種類が異なりますが、なかでも北京・四川・上海・広東が四大中華料理として世界に広く知られています。
今回は四大中華料理の一つで、横浜中華街で最も店舗数が多いといわれる広東料理についてご紹介します。
華僑の歴史に、広東料理が多い理由を見る
横浜港が開港してからというもの、世界各地から人々が来日。そのなかには、中国の広東・上海の人が大勢いました。
広東は古くから海外に人々を送り出した地であることから、「華僑のふるさと」と呼ばれています。華僑とは、海外に移住した中国人およびその子孫のことを指し、世界各地で集団的な生活を営んでいます。華僑が暮らす場所はチャイナタウン(中華街)と呼ばれ、日本では横浜中華街、神戸市の南京町、長崎新地中華街。さらに世界各地に点在しています。
横浜中華街に並ぶ中華料理店の中で、広東料理が多くなった理由はこのためだと言われています。
「食は広州にあり」世界で最も広まった中華料理
中国の南部に位置する広東で生まれた広東料理。古くから「食は広州にあり」と言われていたほど豊富な食材に恵まれた土地でした。「飛ぶものは飛行機以外、四本足は机以外、泳ぐものは潜水艦以外」はすべて食材になるとまで言われています。
ここで少し、他の3つの料理についても説明しておきましょう。
まずは北京料理です。中国の王朝が現在の北京に首都を定めた頃、貴族たちが食べていた料理がルーツ。代表的な料理は北京ダックや水餃子です。宮廷料理だけに豪華で華やかに見える料理、細かな細工がされている料理が多いという点も特徴になります。
四川料理は、中国四川省の郷土料理です。四川省は寒暖の差が激しい地域なので、体をあたためる目的から、花椒、唐辛子やニンニクなど香辛料を豊富に用いる料理が目立ちます。代表的な料理は、ぴりっと辛い麻婆豆腐や日本人も大好きな回鍋肉です。
上海料理は上海を中心とする江蘇省一帯の郷土料理がベースで、魚介類たっぷり。素材の味を活かした淡白な味付けが基本です。豚の角煮のように甘辛く煮つけた料理や、小籠包や上海蟹なども人気ですね。
味の決め手はオイスターソース
広東料理の代表格といえばフカヒレの姿煮でしょう。金華ハムなどを使った特製スープで大きなフカヒレをじっくりと煮込みます。お皿に盛られたフカヒレは黄金色に輝き、豪華そのものです。また、横浜中華街でも人気グルメになっている飲茶は広東語。つまり、もともとは広東料理です。
広東料理は豊富な食材の持ち味を存分にいかし、さっぱりした味つけの料理が多いのですが、オイスターソースを使った料理は、味がはっきりしていて広東料理の中でも人気があります。
オイスターソースは、かきを原料として作られたソース。フカヒレや燕の巣を始めとした高級食材だけでなく、貝柱やかき、ヒラメの干物など、海産物のうま味を料理に上手に取り入れてきた広東料理ならではのソースといえるでしょう。青菜のオイスターソース炒めなどは中華料理店で定番メニューになっていますね。
四大中華料理を制覇しよう!
横浜中華街にはさまざまなお店がありますが、四大中華料理をそれぞれ提供しているお店を選び、食べくらべてみるのも楽しみ方の一つです。日本人の口に合いやすいように味を進化させたお店、伝統的な味を守り続けているお店などそれぞれ特徴もあるので、その味の違いを堪能しに横浜中華街へお越しください。