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横浜中華街をもっと知ろう〜中国に関する豆知識〜

グルメ

2016.10.03

焼きそばをソースで味付けするのは日本だけ?

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祭りの屋台メニューやB級グルメで定番の味、焼きそば。日本のさまざまなシーンで親しまれている料理ですが、もともとは中国生まれなのはご存じでしょうか。日本の焼きそばといえばソース味が主流ですが、本場の味は少し違います。今回は、中国と日本の焼きそばの違いをご紹介します。

ソース味は日本独自の焼きそば

ソース焼きそばの魅力は、食欲をそそる香ばしいソースの香りと濃厚な味わい。富士宮やきそばや横手やきそばなど地域独特の特徴を持つ焼きそばは、B級グルメとしても注目されているだけでなく、食卓の定番メニューといえる一品です。カップ麺も種類豊富な焼きそばは、日本人にとってとても身近なメニューなので、和食だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、焼きそばのルーツは中国で、中華料理に分類されます。ならば本場の味を試そうと中華料理店で注文してみると、いつもの味付けとは違う焼きそばが運ばれてきた! ひと口食べてみると、「あれ、何かが違う…」。そうです、中国では味付けにソースは使いません。私たちが食べなれたソース味の焼きそばは、日本で独自に生み出された料理だといわれています。

地域にとって個性を発揮する炒麺

焼きそばのルーツは、中華料理の「炒麺(チャオミェン)」とされています。炒麺は日本だけでなく、アジアを中心に各地へ広まっている料理です。その土地特有のアレンジが施され、地域の個性が感じられるバラエティ豊かな料理へと変化しました。
例えば、タイの「パッ・タイ」と呼ばれる焼きそばは、麺が小麦でなく米麺。ナンプラーや砂糖、レモンなどで味付けされた甘酸っぱさとしょっぱさが入り混じったような味わいです。
他にも、シンガポールの「ホッケン・ミー」は、黄麺と呼ばれる中太の卵麺を使用し、エビやイカ、炒り卵、もやしなどを加えて炒めます。食べる際には、柑橘類の一種であるコブミカンを絞ったり、辛味調味料のサンバルや唐辛子ペーストを加えたりします。
このように、地域によって味も具材も異なる炒麺ですが、日本ではなぜ、代表的な調味料の醤油を使わず、ソースで味付けをするようになったのでしょうか。

ソース味が主流になったのはお好み焼き屋の影響?

焼きそばの味付けをソースでするようになった理由は、お好み焼き屋が影響しているという説があります。
大正時代にあたる1923年頃には、すでに日本に焼きそばが入ってきていましたが、まだ中華料理店でしか提供されていませんでした。具材が豊富なあんかけの焼きそばや米粉で作られたものなどその種類はさまざまでしたが、どれもソースで味付けされていませんでした。
ソース味が生まれるきっかけとなったのは、昭和に入ってからのこと。日本の洋食文化について綴られた『にっぽん洋食物語大全』によると、「ソース焼きそばを、浅草焼きそばと呼ぶ人もいる」と書かれており、昭和10年頃の浅草のお好み焼き屋には、焼きそばもメニューに入っていたことが伺えます。このことから、日本のソース焼きそばのルーツは、お好み焼き屋にある可能性が高いといえるでしょう。

中華料理店で本場の味を楽しんで

今や日本人のソウルフードともいえるソース焼きそば。本場とは味付けが違うものの、多くの人々に親しまれています。鉄板でソースと絡めて焼き上げるお好み焼き屋の焼きそばもおいしいですが、中華鍋でさっと炒める炒麺や五目焼きそばなど、それぞれに魅力があります。
横浜中華街を訪れたなら、日本のソース焼きそばとは違う本場の味をぜひ味わってみてください。

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