グルメ
2017.01.05
黒酢と普通の酢は、何が違うの?
酢は中華料理で欠かせない調味料。酢を使ったメニューだけでなく、餃子を食べるときにも使うので、中華料理店に行くと必ずといっていいほどテーブルに用意されています。
皇朝では、中華料理の定番である酢豚に黒酢を使用していますが、黒酢は普通の酢と何が違うのかご存知でしょうか。普通の酢とは見た目も味も違う黒酢についてご紹介します。
黒酢の深い色の秘密
酢とひと口にいっても、使われる原料や製造方法によって種類が異なります。数ある酢の中でも、ひときわ濃い褐色または黒褐色になった酢を黒酢と呼んでいます。
黒酢のこの色は、原料に多く含まれるアミノ酸の成分が反応したもの。製造工程で行われる発酵作業によって化学反応が起きて黒くなります。こうした色の変化は、みそやしょうゆといった発酵食品にも見られる現象です。じっくりと時間をかけて熟成させるほど色がより濃く、深くなります。
酢の熟成は一般的に1~2カ月はかかるとされています。例えば精米を原料とする米酢は、蒸した精米を金属容器の中で約4カ月発酵させてつくられます。一方、玄米や小麦、大麦を原料とする黒酢の場合は、原料を仕込んだ壺を天日にさらしながら、1〜3年という長い熟成期間を経てつくられます。こうした製造方法の違いが酢の色の違いを生み出しているのです。
ちなみに日本の黒酢の産地として有名なのは鹿児島です。真っ黒な壺がずらっと並んだ壺畑は、黒酢の産地として知られる福山町(鹿児島県霧島市)で多く見られます。おだやかな日差しに照らされる壺畑を映像などでご覧になったことはありませんか? このアマン壺と呼ばれる壺を使った製法は江戸時代後期から福山町で行われてきた独自のもので、黒酢が「壺酢(つぼす)」などと呼ばれるゆえんになっています。
深いコクと香り、そしてアミノ酸が豊富
製法の違いだけでなく、栄養価など面から黒酢を見てみましょう。
酢は主に、醸造酢と合成酢の2つに分類できますが、米酢や黒酢などは醸造酢に入ります。米酢は1000mlにつき、米を40g以上使って製造された酢で、まろやかな風味が特長です。一方の黒酢は、1000mlにつき180g以上の米などの原料を使用した酢で、豊かなコクや香りが楽しめます。
黒酢がおいしくて栄養価に優れているといわれているのは、身体の代謝に欠かせないアミノ酸を豊富に含んでいるからです。アミノ酸の含有量を比較してみると、その差は歴然。穀物酢が100ml当たり約50~80mgに対し、黒酢は約600mgと圧倒的です。
うま味成分のひとつであるアミノ酸は、おいしさのカギといえる存在。アミノ酸をたっぷりと含んだ食材を上手に使うことで、おいしさが引き立ちます。また、私たちの身体を構成するたんぱく質をつくる成分でもあります。不足すると栄養不足や肌荒れなどのトラブルの一因にもなるので、イキイキと過ごすために欠かせない栄養素といえますね。
さらに、アミノ酸は脂肪の吸収を抑えるといった効果も報告されています。油を使うことが多い中華料理にとって、アミノ酸が豊富な黒酢は相性が良い調味料のひとつといえるのではないでしょうか。
絶品!皇朝の黒酢酢豚をご賞味あれ
おいしさと健康、そして美容を支えるアミノ酸。そのアミノ酸を豊富に含んだ黒酢を使うことで、身体が喜ぶ料理になりますね。横浜中華街に店を構える皇朝のレストランでは、オーダー式バイキングという食べ放題を実施しています。130種類にも及ぶメニューの中でも特に人気があるのが、黒酢をたっぷり使った黒酢酢豚です。
ゴロゴロとした食べごたえのある豚肉にからまる黒酢あんのテリ加減が食欲をそそる一品。一口食べると、思わず箸が止まらなくなりますよ。黒酢を使ったメニューだけでなく、お腹がいっぱいになった時でもさらっと食べやすい酢を使ったメニューもあるので、ぜひ味わってみてください。